原則的には、妻の名義になっている定期預金は妻の財産ですから、死亡した夫の相続財産にはなりません。ただし、名義は妻になっていても実質的に夫の財産と認められる場合は、夫の財産として相続税の課税の対象になります。
ご質問の場合、夫が妻に毎年預金を贈与して、妻が贈与税の申告をしているとすれば、その預金は文句なく妻の財産ですから相続税の問題は生じません。逆に、妻の名義になっていても、夫が自分でその預金を管理していたような場合は、名義が妻であっても相続税の課税対象になります。
実際の税務調査の現場では、税務署があらかじめ夫や妻の預金口座の動きを掴んでいることが多く、このような場合は、夫から妻へ預金が移動した理由や、その預金の使い道をはっきりさせておく必要があります。
また、贈与税の基礎控除(年110万円)を利用して、この範囲内で毎年贈与を行い、将来相続が発生した場合の夫の財産を少なくしておく方法もあります。