祖父母と孫が養子縁組をするという、いわゆる「孫養子」のケースでは、この場合、孫養子は、相続上「子」という立場と、実の親の「代襲相続人」という2つの立場が生じます。相続分の計算の場面では、この2つの立場のうちどちらかが優先されるのか、または、両方の立場が合算されるのかという疑問が生じます。
結論としては、「重複する相続人の地位」は合算されます。つまり、弟さんが普通養子の場合には、「祖父の養子としての法定相続分」と、「亡くなった父を代襲相続する孫としての法定相続分」を合わせた相続分を有することになります。
具体的には、祖父には2人の子がいたことになり、養子である弟さんの法定相続分は2分の1、残った2分の1を父の子である、あなたと弟さんが半分(4分の1)ずつ代襲相続することになります。従って、弟さんの法定相続分は、2分の1と4分の1を合算した4分の3ということになります。
なお、養子制度には「特別養子縁組」というものがありますが、特別養子縁組の場合は、実の親との親族関係がなくなるので、普通養子縁組の場合のような、「法定相続分の重複」は起こりません。